環境のために

環境マネジメント

京急グループ環境基本方針

私たちは、あらゆる事業活動や
社会貢献活動を通じて、
地球環境の保全と環境負荷の低減に努め、
持続的発展が可能な
社会の形成に貢献します。

行動指針

  • 私たちは、環境にやさしい公共交通機関を中心に、さらなる利便性の向上と魅力ある沿線価値の創造に努めます。
  • 私たちは、資源やエネルギーの有効活用と、廃棄物の削減・再利用・再資源化への取り組みを通じ、環境負荷の低減に努めます。
  • 私たちは、次世代を担う子ども達に、より良い沿線環境を引き継ぐため、沿線の豊かな自然との共生・保全に努めます。
  • 私たちは、あらゆるステークホルダーの皆さまとのコミュニケーションを大切にし、地域社会との協調・連携に努めます。
  • 私たちは、環境に関する法令等を正しく理解・順守するとともに、啓発・教育活動を通じて、社員一人ひとりの環境意識の向上に努めます。

気候変動への対応

京急グループ 2050年カーボンニュートラル

京急グループは、脱炭素社会の実現に向けて、2050年度に温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す長期環境目標「京急グループ 2050年カーボンニュートラル」を掲げています。また、実現に向けた中間目標を定め、温室効果ガス排出量の削減に向けたさまざまな取り組みを進めています。

長期環境目標:京急グループ 2050年カーボンニュートラル

中間目標  :2030年度 温室効果ガス排出量30%削減(2019年度比)

TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示

当社は、ESGへの取り組みを経営のベースと位置付けており、気候変動への対応を含むサステナビリティへの対応を経営戦略に関する事項として取り組んでおります。加えて、脱炭素社会の実現を目指し、金融安定理事会(FSB)によって設立されたTCFDによる提言に基づく情報開示を2022年6月に行いました。今後も気候変動への対応を推進するとともに、分析と情報開示の拡充に取り組んでまいります。

環境データ

環境負荷データ(連結)

鉄道をはじめとする各事業活動を行うには、エネルギーや資源が必要であり、またその事業活動からは、温室効果ガスや廃棄物が発生します。
京急グループでは、「京急グループ 2050年カーボンニュートラル」を長期環境目標として掲げ、事業活動における環境負荷を定量的に把握し、削減に努めています。

エネルギー・資源使用量
項目 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
軽油 25,131 ㎘ 18,874 ㎘ 18,117 ㎘ 18,779 ㎘
ガソリン 879 ㎘ 768 ㎘ 852 ㎘ 871 ㎘
A重油 487 ㎘ 290 ㎘ 289 ㎘ 172 ㎘
LPG 1,973 t 1,466 t 1,566 t 1,820 t
都市ガス 6,906 ㎦ 4,191 ㎦ 3,384 ㎦ 3,780 ㎦
灯油 258 ㎘ 233 ㎘ 329 ㎘ 211 ㎘
電力
(うち再生可能エネルギー由来の電力)
382,702,024 kWh 
( 0 kWh)
365,472,301 kWh 
( 0 kWh)
334,076,083 kWh 
(13,241,491 kWh)
341,910,051 kWh 
(25,822,595 kWh)
蒸気・温水・冷水 5,963 GJ 12,714 GJ 11,230 GJ 8,833 GJ
水使用量 ※1 3,243,500 t 2,169,816 t 1,740,915 t 1,621,882 t
OA用紙購入量 159 t 136 t 130 t 123 t
排出量
項目 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
温室効果ガス排出量 265,786 t-CO2 228,147 t-CO2 214,647 t-CO2 209,315 t-CO2
scope1 91,231 t-CO2 66,180 t-CO2 64,634 t-CO2 66,324 t-CO2
scope2 174,554 t-CO2 161,967 t-CO2 150,012 t-CO2 142,990 t-CO2
廃棄物排出量
産業廃棄物 97,092 t 31,246 t 30,551 t 17,222 t
一般廃棄物 ※2
(うちリサイクル量)
(リサイクル率)
12,751 t 
(6,691 t)
(52.5 %)
9,054 t 
(4,155 t)
(45.9 %)
8,540 t 
(4,477 t)
(52.4 %)
10,221 t 
(4,356 t)
(42.6 %)
  • 参考:環境省「温室効果ガス排出量算定・報告マニュアル」
  • 小数点以下切り捨て
  1. ※1上水・地下水(温泉水含む)・海水
  2. ※2自治体への報告量を対象

2022年度環境会計(単体)

環境会計は、事業活動における環境保全のためのコストとその活動により得られた効果を認識し、可能な限り定量的に測定し伝達する仕組みです。京急電鉄では2008年度から環境会計を導入しています。

(千円)

分類 設備投資 費用
事業エリア内コスト
公害防止コスト 大気汚染防止、水質汚濁防止、騒音防止、悪臭防止、地盤沈下防止、その他 279,770 828,762
地球環境保全コスト 地球温暖化防止および省エネルギー 568,770 32,834
資源循環コスト 水、廃棄物処理・リサイクル 62,575 77,077
911,115 938,673
管理活動コスト
上・下流コスト グリーン購入・調達 27,738
管理活動コスト 環境マネジメント、環境情報開示など 27,600
社会活動コスト 社会活動への参加、寄付など 126
55,464
合計 911,115 994,137

京急電鉄環境会計基本事項

  • 「民鉄事業環境会計ガイドライン(2008年度版)」を参考に集計しています。
  • 集計範囲は京急電鉄単体です。
  • 集計数値について千円未満は四捨五入しています。
  • 環境会計は、確実に把握できる取り組みについてのみ計上しました。
  • 減価償却費は費用額に含んでいません。

環境報告

当社では、沿線各自治体の環境に関する条例に基づき、省エネルギーの取り組みを報告し、内容を公表しております。(集計範囲:京急電鉄単体)

環境への取り組み

省エネルギー施策の推進

省エネルギー車両の導入

鉄道車両では、電車のブレーキ時に発生する電力を架線に戻し、他の電車の動力源として有効活用できる「電力回生ブレーキ」を備えた「界磁チョッパ車」を1978年度から採用し、1990年度からは、さらに電力回生効率を高めた「VVVF制御車」を採用しています。
2010年度には、従来の「抵抗制御車」が廃止となり、全車両が「電力回生ブレーキ」を備えた省エネルギー車両となりました。また現在、電力回生効率の高い「VVVF制御車」の導入率は約99%に達しています。(2022年度末時点)

LED化の推進

2012年3月以降に新造・更新を行った鉄道車両は、すべての客室照明にLEDを採用するとともに、LED照明であることをお知らせする案内を車内に掲示しています。また、2016年度以降は、前照灯(ヘッドライト)にもLEDを導入するなど、車両のLED化を順次進めています。また、駅構内における照明のLED化も順次進めており、エネルギー使用量の削減に努めています。

LED化の進捗状況(2022年度末時点)
車両 66%完了
36%完了
LED照明のお知らせ
LEDを採用した前照灯
駅照明のLED化(上大岡駅)

使用電力量と運転原単位

鉄道はエネルギー効率に大変優れていますが、省エネルギー車両の導入、LED化の推進等の取り組みを積極的に進め、さらなるエネルギー使用量の削減に努めています。

年度 運転用電力量
(百万kWh)
付帯用電力量
(百万kWh)
運転原単位(kWh/車・km)
2013 208 44.1 1.814
2014 201 44.1 1.747
2015 198 44.1 1.711
2016 199 44.0 1.707
2017 196 43.5 1.684
2018 191 44.0 1.640
2019 185 44.0 1.595
2020 181 43.0 1.555
2021 180 42.3 1.567
2022 179 40.8 1.586

太陽光発電の導入

一部の駅やグループ会社の施設において太陽光発電を導入し、施設運営などにおいて活用しています。


太陽光発電を導入している施設


  • 羽田空港第3ターミナル駅
  • 油壺京急マリーナ
  • 南太田駅
  • 鴨居自動車学校
  • 金沢文庫駅
南太田駅
油壺京急マリーナ

再生可能エネルギー由来電力の活用

長期環境目標「京急グループ 2050年カーボンニュートラル」の実現に向けて、省エネルギー施策等の推進のほか、再生可能エネルギー由来の電力を活用し、CO2排出量の削減に努めています。

鉄道事業における取り組み

  • CO2削減効果
    年間約100,000 t-CO2(一般家庭換算で約39,000世帯分)

バス事業における取り組み

川崎鶴見臨港バスは、2024年3月に川崎市内では初となる大型電気バス2両を導入し運行を始めました。さらにバスの動力となる電気は再生可能エネルギー由来の電力を導入し、バスの運行に係るCO2排出量を実質的に「ゼロ」としています。

大型電気バス「K8」
  • 大型電気バス2両による削減効果
    年間約30t-CO2

その他の事業における取り組み

京急グループ本社の電力

太陽光発電、風力発電、水力発電などに由来する環境価値を有する電力を導入

  • 導入年月
    2021年12月~
  • CO2削減効果
    年間約970t-CO2
    (一般家庭換算で約380世帯分)
葉山マリーナの電力

横須賀バイオマス発電所における木質バイオマス発電由来の環境価値を有する電力を導入(当社所有の社有林で発生した間伐材がバイオマス燃料の一部として使用されています)

  • 導入年月
    2023年4月~
  • CO2削減効果
    年間約300t-CO2
    (一般家庭換算で約120世帯分)
  • 一般家庭換算値は環境省「令和4年度家庭部門のCO2 排出実態統計調査(確報値)」から算出

その他環境負荷低減に向けた取り組み

環境にやさしいバスの導入

京浜急行バスは、ハイブリッドバスや燃料電池バスの運行のほか、2023年3月には小型電気バスを、2024年3月には大型電気バスを導入し運行を始めました。また、川崎鶴見臨港バスでは、ハイブリッドバス、電気バスおよびバイオディーゼル燃料を使用したバスのほか、2023年3月からは川崎市初のハイブリッド連節バスによるBRT(バス高速輸送システム)の運行を通じて、バス事業における環境負荷低減に取り組んでいます。

小型電気バス「J6」
大型電気バス「K8」
バイオディーゼル燃料を使用したバス
ハイブリッド連節バス

タクシー事業におけるEV車両の導入

EV車両

京急タクシーグループでは、2023年4月からEV車両50台※を導入しており、温室効果ガス排出量の削減に努めています。

  • 京急交通15台、京急横浜自動車10台、京急文庫タクシー10台、京急葉山交通5台、京急中央交通10台

不動産事業における環境認証の取得

「ZEH-M Oriented」を取得したプライムスタイル川崎

分譲マンション「プライムスタイル川崎」が、環境配慮型のマンションとして、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネを実現することで評価される「ZEH-M Oriented」認証を、川崎市の集合住宅として初めて取得しました。今後の開発案件でも環境認証の取得を進めていきます。

循環型社会の推進

循環型社会の推進に向けて、限りある資源の有効活用や廃棄物の削減に取り組んでいます。また、沿線に豊かな海を有する企業グループとして、海洋プラスチックごみ削減の取り組みを積極的に推進しています。

バスの洗車用水に再生水を活用

再生水を活用したバスの洗車

川崎鶴見臨港バスは、2019年3月に川崎市と、入江崎水処理センターで高度処理された水の利用協定を締結しました。下水高度処理水をバスの洗車用水などとして有効利用する取り組みにより、地球環境に配慮する循環型社会の構築を目指しています。

京急グループプラごみ削減運動

ビーチクリーン活動

2019年に神奈川県と「SDGs推進に係る連携と協力に関する協定」を締結し、その取り組みの一環として、海洋プラスチックごみの削減に向けた「京急グループプラごみ削減運動」を推進しています。海岸での清掃活動やマイバッグの利用促進、当社グループ全社で生分解性素材のストローの導入など、SDGs14番「海の豊かさを守ろう」の実現に向け、さまざまな取り組みを実施しています。

生物多様性の保全

沿線地域における自然環境保全活動や、環境に配慮した事業活動を通じて、生物多様性の保全に寄与しています。

みうらの森林(もり)プロジェクト

2023年2月から始動した本プロジェクトは、京急電鉄が三浦半島に所有する約100haの社有林の健全な管理を行うことで、森林の有する二酸化炭素吸収機能の一層の発揮を目指し、生物多様性を維持しながら未来へつながる機能豊かな美しい森林を目指すプロジェクトで、地域事業者とともに多様な取り組みを推進しています。なお本プロジェクトは、林野庁主催の顕彰制度「森林×脱炭素チャレンジ2023」において、森林整備を通じて脱炭素に貢献する企業として「グリーンパートナー 2023」に認定されました。

間伐材を活用した「みうらの森林(もり)タンブラー」の販売
間伐材を活用した木製ベンチ「みうらの森林(もり)ベンチ」の設置(追浜駅・京急久里浜駅)

「小網代の森」の自然環境保全に協力

小網代の森

三浦市の「小網代の森」は自然のままの水系が残され、希少種を含む貴重な生態系が形成されている、地域のかけがえのない財産です。当社は、神奈川県による「小網代近郊緑地特別保全地区」の指定に同意し、所有する約10haを自主保存するとともに、約2haを神奈川県に寄付するなど、自然環境保全に協力しています。

環境に配慮したゴルフ場の経営

長野京急カントリークラブ

長野京急カントリークラブは、広大な敷地のうち約60%を非プレーエリアとして確保するなど、希少な生物の生息地として生物多様性の保全に配慮した営業を行っています。また、長野県と「生物多様性保全パートナーシップ協定」を締結し、売上金の一部を寄付することで、県内の小中学校の環境学習を支援しています。

「ノルエコ」プロジェクト

京急グループが運営する公共交通機関は、他の交通手段に比べ温室効果ガス排出量が少なく環境にやさしい交通手段です。当社グループでは、公共交通機関の利用促進・モーダルシフトを推進するため、「ノルエコ(乗るだけでエコ)」として広告媒体を活用したPR等の取り組みを行っています。