トップメッセージ

平素より当社および京急グループの事業活動にご理解とご支援を賜り、厚くお礼申しあげます。

京急電鉄は、2018年2月25日に創立120周年、2019年1月21日に開業120周年を迎え、品川・高輪地区や神奈川県内に分散していたグループ企業11社の本社機能と従業員約1,200人を「横浜・みなとみらい21地区」の「京急グループ本社」(横浜駅東口徒歩7分)へ集約し、2019年9月17日から稼働を開始し1年が経過いたしました。
本社を移転した「横浜」は、京急線のほぼ中心に位置する場所で、今後大きく発展が期待される品川・羽田エリアの持つポテンシャルと、観光地や地域の創生を目指す横須賀・三浦エリアの魅力を沿線に波及し、横浜を中心に沿線の各エリアの活性化をリードしてまいります。
さらに、本社には、湘南電気鉄道の創業当時から活躍していた実物の「デハ230形」車両、本物の運転台で体験できるシミュレーターや沿線風景を再現したジオラマなどを展示する「京急ミュージアム」を2020年1月21日にオープンいたしました。120年にわたり、新しい価値を創造し沿線の発展に貢献してきた京急グループの「歴史を刻む場所」として、横浜駅東口からにぎわいを創出してまいります。
一方で、新型コロナウイルス感染症が全世界に拡大し、生活様式や社会の価値観が変わってきており当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しつつあります。こうした環境に対し、京急グループでは、今一度われわれの存在意義・使命に立ち返り、社紋に込めた思いを胸に、お客さまや株主の皆さまをはじめとする、すべてのステークホルダーの方々とともに、グループ一丸となって乗り越えてまいります。

中期経営計画の推進

2016年からスタートした「京急グループ第18次総合経営計画」では、最初の5年間を「構造変革期」と位置付け、長期ビジョン実現に向けた土台づくりを進める期間として「中期経営計画」と定めており、今年度が最終年度にあたります。新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの、事業の選択と集中を進め、経営の効率化を図っております。
2019年度は、中期経営計画の目標であったビジネスホテル全館3,000室体制を達成した「京急EXイン」「京急EX ホテル」が好調に稼働したほか、多様化する宿泊ニーズに対応するため、浅草エリアを中心としたホステル事業へ参入いたしました。また、鉄道事業における輸送人員の増加や、流通事業において組織の再編および統合を実施し、経営の効率化を進めた効果が徐々に現れるなど、新型コロナウイルス感染症の影響を受けるまでは、順調に進捗いたしました。
今後、新型コロナウイルス感染症の影響で、通勤・通学、観光やインバウンドにおける旅客の減少など、厳しい局面も予想されますが、環境の変化を踏まえつつそれらに立ち向かうべく事業展開を行ってまいります。

エリア戦略 −品川・羽田・三浦半島−

東京・日本の玄関口「品川」、「羽田空港」の成長を担い、そのポテンシャルを最大限沿線の活性化につなげるべく、エリア戦略を掲げております。

品川を筆頭に駅周辺を核とする街づくりの推進

品川駅周辺における開発の推進は、将来の京急グループの持続的成長を牽引する事業と捉えており、当社は品川駅のある「駅街区地区」とSHINAGAWA GOOSのある「西口地区」の2つの大きな開発に取り組んでおります。
「駅街区地区」においては、品川駅ホームの地平化(2面4線)および北品川駅付近の踏切解消を実現し、駅の利便性を活かした開発を目指します。また「西口地区」においては、地域が持つ歴史や豊かな緑を継承しつつ、トヨタ自動車(株)を共同事業者に迎え、国際交流拠点「品川」にふさわしい、国内外のグローバル企業や国際水準の会議・ホテル誘致を想定した複合施設をSHINAGAWA GOOSの跡地に開発し、情報発信・集積から交流・共創へとつながる品格のあるまちづくりを推進します。

羽田における基盤強化の推進

2019年の訪日外国人旅客数は、過去最高の3,100万人を突破しました。新型コロナウイルス感染症の影響により、先行きが不透明な状況にありますが、羽田空港においては国際線の発着枠増加や一部ターミナルの国際線化など、インバウンドの受け入れ体制整備が進んでおります。当社においても、羽田空港第3ターミナル駅と品川駅にKeikyu Tourist Information Centerを設置し、訪日外国人利用者へのご案内を強化する体制を整えております。また、2019年10月1日から実施している加算運賃の引下げや羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線新設計画により、地域に密着する公共交通機関として、羽田空港アクセスにおける利便性の向上と確固たる地位の確立を図ってまいります。さらに、羽田空港跡地第1ゾーンに、天空橋駅直結の「HANEDA INNOVATION CITY」の事業(2020年7月一部開業)に参画するなど、交通アクセスに留まることなく、不動産、ホテル、流通など各事業と連携を図りながら、今後、期待のできる羽田エリアのポテンシャルを沿線全域に波及させてまいります。

都市近郊リゾート・三浦の創生

三浦半島は都心からわずか1時間圏内という近さにも関わらず、風光明媚な立地が最大の魅力です。マリンレジャーを満喫できる海はもちろん、2020年4月には小網代湾を一望できるホテル京急油壺 観潮荘に温泉が湧出し、東京湾を望む観音崎京急ホテルの温浴施設「SPASSO」と2施設の露天風呂で温泉が楽しめるようになりました。
また、2018年11月に地元、行政とともに決定した城ヶ島西部地区の再整備方針を踏まえて当社では、城ヶ島京急ホテルを2020年5月に閉館し、建て替えの検討など、城ヶ島の再整備に参画してまいります。

ESG経営への対応

「ESG」とは、「Environment(環境)」、「Social(社会)」、「Governance(企業統治)」の3つの頭文字をとったもので、各分野への適切な対応が会社の長期的な成長と持続可能な社会の形成につながるというものです。当社グループでは、CSR方針を「京急グループは、沿線を行きかう多様な人々を支える企業集団として、安全・安心を最優先に確保するとともに、ESG経営を通して地域価値の向上と企業価値の最大化に努めてまいります。」とし、その具体的な施策の一つとしてCO2排出が少ない電車・バスの利用を促すプロモーション「ノルエコ」を展開しており、公共交通事業を中心としたESG経営を推進しております。
また、喫緊の課題となっている海洋プラスチックごみの削減を目指し、「京急グループプラごみ削減運動」の一環として、当社主催のビーチクリーンなどの清掃活動で使用するごみ袋に、2020年3月から生分解性プラスチックを使用したごみ袋を導入するなど、国際的な動向にも注視しながら事業を進めております。
さらに、2019年1月に締結した神奈川県との「SDGs推進に係る連携と協力に関する協定」の具体的な活動として、「人や国の不平等をなくそう」の達成に向けた「ともに生きる社会啓発プロジェクト」への協力による社会貢献活動や、ガバナンス強化を目的とした2019年6月の執行役員制度の導入、報酬と株式価値の連動性を強めて企業価値を増大させることを目的とした2020年6月の株式報酬制度の導入など、ESG経営のさらなる深化を図っております。

今後も京急グループ一丸となって、より一層皆さまに愛され、ともに発展する企業となるべく努力を続けてまいります。引き続きご愛顧賜りますよう、よろしくお願い申しあげます。

2020年6月

京浜急行電鉄株式会社
取締役社長

原田一之