ニュースリリース

2025年05月12日

2025年度 鉄道事業設備投資計画

ホームドア設置や連立事業等の推進 総額約370億円

京浜急行電鉄株式会社(本社:横浜市西区、社長:川俣 幸宏、以下 京急電鉄)は、さらなる安全対策やユニバーサルで快適な輸送サービスを推進するため、2025年度は総額370億円の設備投資を実施いたします。

本年度は引き続き品川駅付近の連続立体交差事業や羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線新設工事、ホームドア設置工事などを推進するほか、全車両への防犯カメラ設置を進めてまいります。また、照明設備のLED化といった環境負荷低減に向けた取り組み、今後の労働力不足への対応や事業効率化を進めるうえで必須となるICT分野への投資など将来の成長に向けた投資についても着実に進めてまいります。

主な設備投資計画の内容は以下の通りです。

【2025年度 鉄道事業 設備投資計画の概要(総額約370億円)】

【2025年度 鉄道事業 設備投資計画の概要(総額約370億円)】

さらなる安全対策の強化(約186億円)

  1. 1.品川駅付近連続立体交差事業の推進
  2. 2.車両の代替新造、車内防犯カメラ設置
  3. 3.踏切安全対策の強化
  4. 4.激甚化する自然災害への対策

ユニバーサルで快適な輸送サービスの提供(約131億円)

  1. 1.ホームドア設置工事の推進
  2. 2.駅改良工事(大規模改修、耐震補強等)
  3. 3.車両更新工事(多目的スペースの設置・窓の開閉化等)

環境負荷低減に向けた取り組み(約10億円)

  1. 1.駅および車両照明設備のLED化
  2. 2.省エネルギー設備への更新、回生電力貯蔵装置の更新

将来の成長に向けた投資(約43億円)

  1. 1.羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線新設工事
  2. 2.泉岳寺駅改良工事
  3. 3.鉄道オペレーション変革に向けた取り組み(駅業務高度化など)

2025年度 設備投資計画の詳細について

2025年度 設備投資計画の詳細について

さらなる安全対策の強化(約186億円)

1. 品川駅付近(泉岳寺~新馬場駅間)連続立体交差事業の推進

泉岳寺~新馬場駅間は、品川第1踏切道(八ツ山通り)をはじめとする計3か所の踏切道が存在し交通渋滞の要因となっています。そのため、東京都の都市計画事業として同区間を高架化し、3か所の踏切道を除却いたします。また品川駅の地平化および2面4線化を図り、利便性および安全性の高い駅へと再編いたします。2025年度は、引き続き高架橋仮設化工事および八ツ山跨線々路橋の架設を含め、事業区間全域で工事を推進し早期事業完了を目指してまいります。

品川駅地平化イメージ
高架橋仮設化の工事状況
八ツ山跨線々路橋の組立状況

2. 車両の代替新造、車内防犯カメラ設置

より安全で快適な車内環境をご提供するため、1000形8両編成2本を代替新造いたします。また、近年の鉄道車内における傷害事件等の発生を受け、地上側でリアルタイムに映像の確認ができる新たな防犯カメラを2026年度末までに全車両に導入してまいります。

代替新造車両イメージ
車内防犯カメラ
設置した車内の様子
通信イメージ

3. 踏切安全対策の強化

当社線内の自動車が通行する踏切道(64か所)には、自動車の立ち往生を自動的に検知する踏切障害物検知装置を設置しており、引き続き、従来の方式より検知機能を強化した機器へ更新を進めてまいります。(2025年度は6か所実施予定)

4. 激甚化する自然災害への対策

近年増大する自然災害のリスクに備えるため、耐震補強工事、法面防護工事などを引き続き推進いたします。

・耐震補強工事:高架橋(弘明寺~上大岡駅間)

・法面防護工事:京急富岡駅構内下り線側ほか

高架橋耐震補強工事例(弘明寺~上大岡駅間)
法面防護工事例
(汐入~横須賀中央駅間21号隧道浦賀方坑口)

ユニバーサルで快適な輸送サービスの提供(約131億円)

1. ホームドア設置工事の推進

お客さまのホームからの転落や列車との接触を防止するため、ホームドア設置工事を進めており、昨年度までに17駅にホームドアを設置、2025~2028年度は計24駅について設置工事を進めてまいります。

設置例(青物横丁駅下りホーム)
  • 左記駅以外も、設置に向けた調査・設計等を行い、
    引き続き各駅へのホームドアの設置を推進してまいります。
  1. ※1設置予定駅数に含まず
設置完了済駅
(2024年度末)
青物横丁駅、平和島駅、梅屋敷駅、京急蒲田駅、京急川崎駅、京急鶴見駅、生麦駅、京急東神奈川駅、横浜駅、日ノ出町駅、上大岡駅、金沢文庫駅、金沢八景駅、追浜駅、汐入駅、羽田空港第3ターミナル駅、羽田空港第1・第2ターミナル駅 17駅
2025~2028年度
設置予定駅
新馬場駅、鮫洲駅、立会川駅、大森海岸駅、大森町駅、京急蒲田駅(2・5番線)※1、雑色駅、六郷土手駅、八丁畷駅、弘明寺駅、屏風浦駅、杉田駅、横須賀中央駅、県立大学駅、糀谷駅、大鳥居駅、穴守稲荷駅、天空橋駅、京急川崎駅(3番線)※1、 港町駅、鈴木町駅、川崎大師駅、東門前駅、大師橋駅、小島新田駅、京急久里浜駅 24駅
  • 上記のほか、品川駅、穴守稲荷駅は、ホーム固定柵を設置しています。

2. 駅改良工事(大規模改良、耐震補強工事等)

神奈川新町駅は大規模改良工事に着手し、エレベーターやエスカレーターの新設と併せて道路との接続歩道橋なども整備し、駅周辺と一体的な移動円滑化を図ってまいります。花月総持寺駅は、橋上駅舎の耐震補強工事と併せて、駅舎のリニューアル、旅客用トイレの新設などを進めてまいります。

・大規模改良  対象駅:神奈川新町駅
(エレベーター・エスカレーター新設等)

・大規模改良
 対象駅:神奈川新町駅
 (エレベーター・エスカレーター新設等)

・駅舎耐震補強 対象駅:花月総持寺駅
(併せてトイレ新設・コンコースのリニューアル等)

・駅舎耐震補強
 対象駅:花月総持寺駅
 (併せてトイレ新設・コンコースのリニューアル等)

神奈川新町駅改良後のイメージ

神奈川新町駅改良後のイメージ

3. 車両更新工事(多目的スペースの設置・窓の開閉化等)

車体更新に併せ、車いす・ベビーカーのご利用や大きなトランクをお持ちのお客さまが快適にご乗車いただけるよう多目的スペースを設置するほか、非常通話装置の増設、固定窓の一部開閉化などを行います。

・車体更新:1000形:24両(8両×2編成、4両×2編成)

・車体更新:
 1000形:24両(8両×2編成、4両×2編成)

多目的スペース設置例
窓の開閉化例(二段下降窓)

環境負荷低減に向けた取り組み(約10億円)

駅照明設備のLED化例(横須賀中央駅)

1. 駅および車両照明設備のLED化

温室効果ガス排出量削減のため、全駅および全車両で照明設備のLED化を推進いたします。2025年度は立会川駅など10駅のホームまたはコンコースの照明設備、28両の車両照明設備LED化工事を実施いたします。

2. 省エネルギー設備への更新、回生電力貯蔵装置の更新

駅のエレベーターやエスカレーターを更新するほか、電車がブレーキをかけた時に発生する電力(回生電力)を、電車線から蓄電池へ充電し、加速時に電車線に放電することで有効に利用できる「回生電力貯蔵装置」をフライホイールから、より省エネ・CO2排出量の削減効果が期待できる蓄電池設備への更新に着手するなど、低炭素社会の実現に向けた取り組みを進めてまいります。

(節電効果見込:エレベーター更新は最大約50%、エスカレーター更新は約10%)

逗子回生電力貯蔵装置のイメージ

将来の成長に向けた投資(約43億円)

引上線のイメージ図

1. 羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線新設工事

将来の航空旅客の増加を見据え、羽田空港アクセスのさらなる輸送力増強、利便性向上を図るため、国土交通省と当社で相互に協力して羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線の新設および駅改良工事を進めてまいります。

  • 引上線は列車の入換え等を行う専用線です。

2. 泉岳寺駅改良工事

泉岳寺駅改良工事のイメージ図

泉岳寺駅および品川駅北周辺地区は将来の駅周辺地域の開発による交流人口の飛躍的な増加が見込まれております。これに伴い、泉岳寺駅のホームの拡幅およびコンコースの拡張や昇降施設、出入口などの機能強化を行い、駅の利便性、安全性の向上やバリアフリー化を図ります。また、この改良工事は駅隣接街区にて東京都が施行する市街地再開発事業と連携して進めてまいります。

3. 鉄道オペレーション変革に向けた取り組み

アフターコロナの新たなニーズへの対応および将来の労働力人口の減少を見据え、駅務機器の遠隔操作とカメラ付き通話対応が可能なスマートサポートシステムを順次導入し、遠隔・非対面による新しい駅営業様式を拡大(現在37駅導入、2025年度は5駅に導入予定)いたします。さらに2024年度から自動改札機等の駅務機器を更新し、クレジットタッチ決済を10駅に導入、2025年度中に全駅でタッチ決済による乗車が可能となるよう準備を進めてまいります。また、次世代媒体によるシステムを今後段階的に導入してまいります。その他、駅の信号取り扱い業務の自動化を拡大し、さらなる保安度の向上と業務効率化を進めるほか、車両や施設の保守部門においても業務の高度化を図るため、ICT技術を活用したシステムの導入等を進めてまいります。

スマートサポートシステム
タッチ決済による乗車
(自動改札機イメージ)
信号取り扱い自動化イメージ