乗合・貸切自動車事業(バス事業)

事業概要

バス事業は、京浜急行バス、東洋観光、川崎鶴見臨港バスからなる3社で構成され、主な運行エリアは、東京都内から三浦半島全域です。路線バスのほか、羽田空港、成田空港への空港リムジンバスや、貸切バスを運行しています。

羽田空港直結!「空港リムジンバス」

羽田から各地へ

1968年に羽田空港~横浜駅線の運行を開始した空港リムジンバスは、羽田空港と各地を結ぶ路線のほか、成田空港と横浜駅(YCAT)間の運行も行っています。そのほか、2022年3月に市が尾駅、2023年3月には武蔵小山駅などへ新規運行を開始し、関東各地へのアクセスを充実させています。車両は、お客さまの手荷物を考慮し、大型のトランクスペースを装備した車両を採用。荷物を気にすることなく、ゆったりとご乗車いただけます。バス車内で利用できるフリーWi-Fiサービスのほか、多言語およびクレジットカード・交通系ICカード決済に対応した自動券売機を導入。一部路線では、2020年2月に、スマートフォンに表示した画面で乗車が可能になる「スマホ乗車券」サービスを開始。また、2021年11月16日にはPayPayなどのスマホ決済を、2022年7月にはVisaのタッチ決済を導入するなど、より快適・便利にバスをご利用いただくためのサービス向上に取り組んでいます。

高速バス

高速バスは、横浜・川崎から東京ディズニーリゾート® や、横浜から横浜・八景島シーパラダイスといった人気の観光地間を運行。東京湾アクアラインを走行する路線は、通勤やレジャー、ショッピングの足として、品川・横浜から房総各地へのアクセスが便利です。主要駅だけではなく、大型商業施設へ直行する路線もあり、好評を得ています。大きな荷物を持っての乗り換えがなく、お子さま連れのお客さまにも人気です。

一般路線バス

東京地区から、川崎・横浜・鎌倉、そして三浦半島一帯まで、京急グループの一般路線バスネットワークはきめ細やかに網羅・整備されています。通勤・通学や地域の足としての役割はもちろん、鎌倉・三浦などでは、観光の足としての役割も担い、毎日多くのお客さまに利用されています。

金額式IC定期券の導入

2022年4月に川崎エリアを除く神奈川県内の一般路線バス定期券を、同一金額区間内であれば乗り降り自由となる「金額式IC 定期券」に変更し、2023年9月より川崎・東京都内を含む全路線でご利用いただけるようになりました。2023年3月にはモバイルPASMO でのサービスも開始し、窓口に並ばず、スマートフォンのアプリ上で購入いただけるようになりました。

多摩川スカイブリッジ経由の新路線運行開始(川崎鶴見臨港バス)

川崎鶴見臨港バスは2022年4月1日から、多摩川スカイブリッジを経由して、川崎市の京急大師線大師橋駅前および浮島バスターミナルと、大田区の京急空港線天空橋駅とを結ぶ、新たな2路線の運行を開始しました。これにより、発展の続くキング スカイフロントをはじめとする京浜臨海部と羽田空港周辺地区との行き来がしやすくなり、通勤・ビジネス面でも、地域の方々の生活面においても、利便性が向上しました。

多摩川スカイブリッジ経由の新路線案内図
多摩川スカイブリッジ

バリアフリー対応

ノンステップバス

ご高齢の方・小児・妊婦・障がいのあるお客さまを含めた、すべてのお客さまが快適に安心して利用できるよう、段差のないノンステップバスを中心に、スロープ板やニーリング機能(乗降時に乗降口側の車高を下げて乗り降りしやすくする機能)付のバスを積極的に導入し、バリアフリー化を推進しています。

ワイドスペースバス

川崎鶴見臨港バスでは、2019年12月から、中扉付近の座席4席を撤去し、車内のユニバーサルスペースを広く確保することで、同型のバスの定員より5名多い、85名のお客さまに乗車いただけるワイドスペースバス車両を鶴見営業所に導入し、横浜市の鶴見地区にて運行しています。道路事情などにより、これ以上の車両の大型化が困難な地域に対して、朝夕のラッシュ時間帯を中心に運用、混雑緩和の効果や利便性を検証し、さらなる快適性向上と、定時運行の確保に取り組んでいきます。

下水高度処理水の有効利用

川崎鶴見臨港バスは、2019年3月に入江崎水処理センターで高度処理された水の利用協定を川崎市と締結しました。下水高度処理水をバスの洗車用水などとして有効利用する取り組みにより、地球環境に配慮する循環型社会の構築を目指しています。

安全運転診断装置「ドライブコレクター」導入

2020年3月に、教習車の運転席周辺に3台のカメラを設置し、アクセル、ブレーキペダルを踏む足の動きや、安全確認時の視線の位置を客観的に気づかせることができるようになりました。また、急な発進やブレーキ、ハンドル操作で0.2G以上を記録した運転データを分析し、安全運転診断が行える装置を導入しました。

運転席下部
メーターパネル部
フロントガラス部

KAWASAKI BRT

川崎鶴見臨港バスは2023年3月1日から、川崎駅から水江町間において、川崎市初となる連節バス(全長約18m・定員114名)を使用したBRT(バス高速輸送システム)の運行を開始しました。
BRTとは、連節バスやPTPS(公共車両優先システム)、バス専用・優先レーンなどを組み合わせることで、従来のバスよりも速達性・定時性・輸送力について高度な性能を発揮するバスシステムです。
これによりピーク時のバス車内やバス待機列による駅前広場の混雑などの課題解決を図るとともに、マイカーからCO₂排出量の少ない公共交通へのシフトを促進し、環境負荷の少ないハイブリッド連節バスによる運行を組みあわせ、脱炭素社会の実現に寄与することを目指します。

車両の概要

空港リムジンバス・高速バス

空港リムジンバス・高速バスの主力車両は、収容力を重視した60名乗り観光バスタイプの大型ハイデッカー車です。ドライバー異常時対応システム(EDSS)バスの導入や新型ドライブレコーダーへの代替など、先進安全技術付車両を積極的に導入し、床下大型トランクやフリーWi-Fiサービスも備えた充実の車両です。標準的な外装は、ベースの白色に赤色でラインが描かれ、空港リムジンバスの特徴である“KEIKYU LIMOUSINE”のロゴと“カモメ”が鮮やかにペイントされています。

一般路線バス

一般路線バスは、路線の状況やお客さまのニーズに応じて大型車・中型車・小型車などで運行しており、主力車両はバリアフリーに対応した大型ノンステップバスです。環境に配慮した車両の導入を積極的に進めており、2019年2月に民間のバス会社として初めて走行時にCO₂などの環境負荷物質を一切排出しない燃料電池バス「SORA」を、2023年3月には小型電気バスを導入し、環境負荷の低減に努めています。標準的な外装は、ベースの銀色と水色に赤い帯をペイントしています。

燃料電池バス「SORA」
小型電気バス