鉄道運行情報
鉄道事業
2022年度鉄道事業成績
営業キロ | 客車走行キロ | 旅客運輸収入 | 輸送人員 | 客車車両数 | 延人キロ |
---|---|---|---|---|---|
87.0(㎞) | 112,503(千km) | 65,997(百万円) | 404,440(千人) | 790(両) | 5,352(百万人キロ) |
事業概要
京急線は、都心から川崎・横浜・横須賀を経て三浦半島に至り、沿線住民の暮らしを支えています。一方で、羽田空港の航空需要の増大にあわせ、羽田空港アクセスを強化。安全・安定した輸送サービスを通じ、沿線地域の発展にも貢献しています。
安全・安心への取り組み
安全方針
京急電鉄では、安全方針として「安全最優先」「鉄道安全管理規程に基づく安全確保」「法令や規程等の順守」を掲げ、その目標として、有責事故0件継続を目指し取り組んでいます。また、鉄道安全管理規程において、「事業の運営について、安全の確保を第一の課題として行う」と明確に定めています。
安全方針
- 1.安全最優先の意識の徹底を図るとともに、
鉄道安全管理規程に基づき、安全確保に全力を傾ける。 - 2.お客さまや社会の信頼に応えるため、
法令や規程等を順守し、厳正・誠実に職務を遂行する。
安全管理体制の構築・改善に向けた取り組み
安全管理体制は、計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→見直し・改善(Act)の体制(PDCAサイクル)を繰り返していくことが大切です。京急電鉄では、鉄道安全管理規程をはじめ、現在行っている体制を常に見直し、改善に向けた取り組みを行っています。
鉄道安全管理規程に基づくPDCAサイクル
安全への設備投資
2023年度は、引き続き「品川駅付近や大師線の連続立体交差事業」、車両の代替新造、ホームドア設置工事などを推進するほか、新たに全車両へ防犯カメラ設置を進めてまいります。
これにより、総額295億円の設備投資を計画しています。
2023年度計画 | 2022年度設備投資実績 | |
---|---|---|
総額 | 295億円 | 155億円 |
❶安全関係設備投資額 | 264億円 | 141億円 |
(1)ホームドア設置工事 | 38億円 | 18億円 |
(2)連続立体交差工事 | 47億円 | 22億円 |
(3)防災・地震対策 | 10億円 | 5億円 |
(4)駅改良工事(耐震補強含む) | 48億円 | 28億円 |
(5)新造車両・車両更新 | 51億円 | 19億円 |
(6)変電所・電気保安設備などの電気施設の更新・改良 | 27億円 | 22億円 |
(7)その他の安全対策 | 43億円 | 27億円 |
❷その他 | 31億円 | 14億円 |
テロ対策訓練
鉄道を狙ったテロ等が発生した際に、迅速な対応が取れるよう、お客さまの避難誘導体制や警察、消防等との連絡通報協力体制を確認するため実施している訓練です。2022年度は、2021年に他社で発生した車内刺傷事案を受け、「走行中の列車内の旅客が突然刃物を持ち出し、 注意した旅客と口論となり、仲裁に入った旅客を含む複数名がケガをした」、「車両のドアとホームドアがずれた状態で停止し、車内のお客さまの避難誘導に支障がある」状況を想定して訓練を実施いたしました。また、訓練終了後、警察から、各種犯罪行為の動向や、 酪酎者への対応、防具の使い方等について講話をいただきました。
鉄道事故総合対応訓練
万一、重大事故が発生した際に迅速に対応できるよう、毎年秋に鉄道事故総合対応訓練を実施しております。2022年度は、「暴風雨の影響により、線路内に土砂および倒木が流入、走行中の列車が支障物に乗り上げ脱線し、周辺の各施設に被害が発生する」という設定で復旧訓練を実施するとともに、ベテランから中堅や若年層社員への技術継承も行いました。なお、2022年度から「負傷された方への対応」や「周辺住民への対応」など、実際の事故現場では復旧以外にも様々な対応が必要であり、 これまでの訓練を更にバージョンアップさせ、総合的に対応事項を確認する意図を込め、訓練名称を「鉄道事故復旧訓練」 から「鉄道事故総合対応訓練」に変更いたしました。
羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線整備事業
将来の航空旅客の増加を見据え、羽田空港アクセスのさらなる輸送力増強、利便性向上を図るため、国土交通省と京急電鉄は相互に協力し、羽田空港第1・第2ターミナル駅引上線の建設および駅改良を進めてまいります。
- ※引上線は列車の入換え等を行う専用線です
連続立体交差事業
大師線連続立体交差事業
川崎市の都市計画事業である大師線連続立体交差事業のうち、段階的整備区間として、東門前駅付近から小島新田駅付近の約980mの区間を、2019年3月に地下へ切り替えました。これにより、4か所あった踏切道のうち産業道路第1踏切道(東京大師横浜線)を含む3か所が除却され、東門前第2踏切道が廃止されたことで、踏切事故の解消や道路交通の円滑化が図られました。2023年度は、引き続き大師橋駅の駅舎および小島新田駅の駅舎、ホーム等の工事を進めてまいります。
品川駅付近連続立体交差事業
泉岳寺~新馬場駅間においては、品川第1踏切道(八ツ山通り)をはじめとする計3か所の踏切道が存在し、踏切事故や交通渋滞の要因となっています。そのため、東京都の都市計画事業として同区間を高架化し、3か所の踏切道を除却します。また、品川駅を地平化および2面4線化し、利便性および安全性の高い駅へと再編します。2020年4月に同区間の連続立体交差事業が都市計画事業として認可され、2021年度に工事着手しました。2023年度も引き続き工事を進め、早期事業完了を目指していきます。
ホームベンチ更新について
ホームに設置している木製ベンチは経年による劣化が進んでいることから、順次樹脂製ベンチへ更新しております。また、線路への転落を防止する対策の一環として、ホームドア未設置駅におけるベンチ更新に合わせ、線路と直角に列車の侵入方向へ向けての設置を進めております。
カラー電子ペーパー実証実験について
2023年5月から羽田空港第1・第2ターミナル駅および羽田空港第3ターミナル駅において、日本初となる25.3型フルカラー版「DNP電子ペーパー Powered by E Ink」を実証実験の一環として導入しました。
電力をほとんど消費せず画像の表示や切り替えが可能となり、駅時刻表やPRしたい情報、緊急時の案内といった色々なコンテンツを需要に応じて表示することができます。
快適な移動サービス
非対面型の新しい駅営業様式
「スマートサポートシステム」
新しい生活様式および将来の労働力不足に対応し、持続可能な鉄道事業運営を目指すため、一部の駅で駅務機器や駅設備の遠隔操作とモニターホンによる通話対応が可能なスマートサポートシステムを導入しております。
スマートサポートシステム導入により、アフターコロナにおける非対面ニーズにも対応した新しい駅営業様式が実現しました。
2021年度に5駅、2022年度に8駅、2023年度(9月末時点)に3駅の計16駅導入しており、今後も順次拡大していきます。
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交通事業の安全に関する取り組みの詳細は、こちらをご参照ください。
- https://www.keikyu.co.jp/company/csr/pdf/safety/2023/all.pdf