サンルイ島の「マロン・シャンティー」473円


秋のスイーツの代表は、 みんな大好きな栗のケーキ

実りの秋を代表する食べ物はいろいろありますが、スイーツの分野では、なんといっても栗でしょう。フランスでは、マロングラッセが糖菓の分野の秋の定番、ケーキ類の代表がモンブランということのようですが、日本のモンブランは、季節の洋菓子とはいえないくらい、1年を通して作られている人気のケーキです。
モンブランの名は、ヨーロッパにある秀峰の名前からとられ、「白い山」という意味を持ちます。モンブラン誕生の地とされるフランスでは「モンブラン・オー・マロン」というのが正式名。マロンペーストをおそばのように搾って盛り上げ、砂糖をまぶして雪を表すなど、山の形を模したケーキです。フランスの文献には18世紀末にその名が登場するということですが、お菓子の本をたくさん書かれている吉田菊次郎氏によると、マロングラッセを作るときに失敗した栗を、たまたまくずしてペーストにし、そこから何か作れないかと考え生まれたのではないか、ということです。モンブランも偶然の産物なんですね。
日本では、昭和初期に東京・自由が丘の洋菓子店で発売されたのが、元祖モンブランと言われています。このときの土台はカップケーキでした。フランスでは、カリカリのメレンゲを土台にして生クリームとマロンペーストで盛り上げますが、日本での主流はフワフワのスポンジケーキを土台にするものでした。栗もクリームも黄色でした。最近では、フランス風の茶色いモンブランが主流のようですし、台にビスケット生地やパイ生地を使って、生クリームやカスタードクリームを詰めたり、メレンゲを入れてサクサク感を出すなど、いろいろなモンブランが味を競うようになりました。でも、どんなに洗練されても、素朴さと懐かしさが感じられる。それが、モンブランが誰からも愛される理由なのだと思います。

一度は食べたい、あの店のスイーツ


神奈川県葉山町
サンルイ島 マロン・シャンテリー

ほっくりとした和栗でつくるマロン・シャンテリー
九州産の和栗を使ったマロンペーストでつくるサンルイ島の栗菓子は、モンブランとは呼ばない。オーナー&シェフの遠藤正俊さんは、こだわりを持って「マロン・シャンテリー」と名づけた。「フランス流に作るならモンブランと名づけたでしょうけど」。シャンテリーは生クリームのこと。ダクワーズ(泡立てた卵白に粉末アーモンドを混ぜた生地)を台にして、メレンゲを芯に立て、シャンテリーを盛りつけ、そこにマロン・クリームを絞る。それがサンルイ島の「マロン・シャンテリー」だ。茶色のマロン・クリームの上には、マロングラッセと葉っぱの形のミルクチョコレートがのっている。
マロンクリームはこってりとしているが、上品な甘さ。中の生クリームのやわらかさと、メレンゲのサクサクした感触がほど良く調和している。「フランスのモンブランはメレンゲを土台にする。栗もフランスのものを使ったことはあるが、甘すぎると感じた」という遠藤さん。「マロン選びがいちばん大切」と、栗の味がして、ほっくりとするもの、そして安定して供給できるものを探した。九州産の和栗を使い出して5年。おかげで私たちは、今日もサンルイ島の「マロン・シャンテリー」を味わうことができる。


本場フランス仕込みのケーキをつくる遠藤正俊さん。「サンルイ島のケーキづくりテーマは、造形にこだわらず、おいしさに終始しようということ。見た目はもっと簡素にしていきたい」という。売り方も、通販をせず「手渡し」にこだわるのは、手づくりであるために安定しない部分を「顔を見て売ることでわかってもらえる」という考えから。

 


ショーウインドーには常時、生ケーキ36種が並ぶ。遠藤さんの自慢の品は「さくらんぼのクラフティ」。ホール3,150円、カット315円。パイを空焼きして中にクリーム生地を流し、さくらんぼを入れて焼く。クリーミーでウエットなクラフティは格別なおいしさだ。 そのほか、マロンのタルト420円など
Data
サンルイ島 葉山本店
●生ケーキも切らさないように1日に3回製造
●イートイン/あり
●テイクアウト/あり
●お取り寄せ/なし
●営業時間:9:30〜21:00
●定休日:無休
●交通:新逗子駅から湘南国際村及び 衣笠行きバス「一色住宅」下車、徒歩1分
●TEL 046-875-8715

他店舗
●鎌倉山店 TEL 0467-32-8191
遠藤さんが、以前からあこがれていたという鎌倉山に、念願かなって出店した。 「駐車スペースがない」のが悩みの種。
●逗子店 TEL 046-872-3511
焼き菓子を中心に展開。朝焼いたものを、すぐ食べてもらおうというのがコンセプトの店。

葉山でケーキ店をはじめて20年。すっかり、その名も定着。遠方からも車でやってくる名店となった。現在3店舗だが、これ以上出店するつもりはなく、それぞれの店を手直ししていくのが、これからの課題。葉山本店は、研究もし、生産し量産していくサンルイ島の基地的役割。イートインスペースも広く、落ち着ける雰囲気。

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