【葡萄牙】Pao・de・lo
長崎カステラのルーツ、パォン・デ・ロー。
好みの焼き加減で予約できる。
大(直径約24cm)2,625円、小(直径約13cm)1,365円。



カステラの原型といわれる、
ポルトガルの伝統菓子

金平糖、カルメ焼、ボーロ、ビスケット、そしてカステラ。名前を聞いただけで懐かしい気持ちになるこれらのお菓子は、南蛮菓子と呼ばれていました。16世紀の大航海時代に、種子島にポルトガル人が漂着。その後、鉄砲やキリスト教とともに、さまざまな西洋文化が日本に入ってきます。南方経由で日本にやってくるポルトガル人やスペイン人は、南蛮人と呼ばれ、彼らがもたらしたものの一つが、南蛮菓子です。だからといって、ポルトガルに「カステラ」と呼ばれるお菓子はありません。これに似たスポンジケーキは、ポルトガルではパォン・デ・ロー、スペインではビスコチョと呼ばれています。日本でカステラと呼ばれるようになったのは、カステーリャ(スペイン)のお菓子だから、など諸説があるのですが、卵と砂糖と小麦粉で作られる素朴なお菓子に、蜂蜜や水飴を加え、しっとりと美しく焼き上げた「長崎カステラ」は、日本独自の和菓子となりました。
一方、元祖カステラのパォン・デ・ローの「ロー」は、織物の「絽」が語源で、ふかふかした形状から「絽のようなパン」と言われたという説があります。ポルトガルでは、復活祭のときに守護聖人へのお供えものとして焼かれる伝統菓子で、中世の修道院で焼かれ、現在もポルトガル各地で焼かれています。伝統的な形は、大きな円形の中央にドーナツのように穴のあいたものですが、今は穴のないタイプの方が多いようです。焼き方もさまざまで、パサパサになるまで焼き上げるもの、そして中はトロリとした半生状態のものなど、いろいろです。でも食べ方はたぶん一つ。丸くて大きなパォン・デ・ローを、みんなでわいわい囲んで食べる。日本のカステラのような繊細さはありませんが、家庭的なあたたかみのあるお菓子です。

一度は食べたい、あの店のスイーツ


清野 東京・蒲田

生焼けは、ふんわり焼き上げた カステラの中心部がクリーム状になっている。
本場仕込みのポルトガル菓子
腕のいい菓子職人の父親の跡を継いだ中田春美さん。おいしいカステラが作れないことに悩んでいた頃、長崎のカステラを、生まれ故郷に里帰りさせた夫婦がいることを知り、ポルトガルへ。帰国後、和菓子の店は、日本では珍しいポルトガル菓子を扱う店として再出発する。春美さんの作るパォン・デ・ローは、伝統的なオヴァール地方のレシピにそったもの。卵と砂糖を混ぜて泡立て、香りつけにレモンの皮とシナモンと塩少々、それに小麦粉を入れて、紙に流し込み、素焼きの型に入れて窯で焼く。独自のこだわりは材料だ。卵は岩手の放し飼いの鶏の有精卵「昔たまご」。小麦粉は北海道のブレンド粉。レモンは静岡産の無農薬のもの。「昔たまご」は、カロチンの多い緑葉色野菜を餌にしていた鶏の卵で色が濃い。カステラの場合、色の美しさも大事。とくにパォン・デ・ローは卵黄が多いので黄色が濃く鮮やかだ。もうひとつのこだわりは、焼き加減。完全に焼き上げず、トロッとした部分を残す。「生焼けだった」とクレームがきたこともあるが、これが清野のパォン・デ・ローのおいしさなのだ。

和菓子の店でポルトガル菓子を作る中田春美さん。「ポルトガルのお菓子って、素朴で日本のお菓子に近いんです。ポルトガルに行ったときも、懐かしい感じがしました」。ポルトガル菓子をもっと普及させようと、ポルトガル・フェアなども開催する(9月半ばに予定)

 


「清野」は、本来は和菓子のお店。あんのおいしさには自信を持つ。蒲田名物の温泉まんじゅうは、皮にひと工夫あり。もうひとつの名物、どら焼きは、名入れができる(型代別途)。温泉まんじゅう105円、ドラ焼き157円。

Data
和菓子処 清野
●ポルトガル菓子(パォン・デ・ロー、
パステイシュ・デ・ナタ、ケイジャーダ)は
要予約。2〜3日前から注文受付。
●イートイン/なし
●テイクアウト/あり
●お取り寄せ
(パォン・デ・ローのみ)/電話、メール
http://www.wagashi-kiyono.com/
Eメール:haru@wagashi-kiyono.com
●営業時間:9:00〜19:30(日曜は18:00まで)
●定休日:水曜
●京急蒲田駅、雑色駅から徒歩10分
●TEL 03-3731-2320

Column
ポルトガルの 「Castella do Paulo」
ポルトガル菓子の職人、パウロ・ドゥアルテ氏と、夫人の智子さんが、長崎のカステラをポルトガルに里帰りさせようと、1996年、パウロ氏の故郷セイシャルにオープンした。現在はリスボンに移ったが、清野とは今も技術交流を続けている。

京急蒲田駅と雑色駅のちょうど中間。バス通り沿いにある小さな和菓子屋さん。カステラと上生菓子とポルトガル菓子は春美さん、昔からのどら焼きや焼き菓子はお母さんと2人で作る。


スイーツ図鑑
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