京急の歩み 拡張期

湘南電鉄の開業、京急線の骨格ができる

湘南電気鉄道は、1917年(大正6年)9月、横浜から浦賀、三崎方面へ三浦半島を一周する路線の建設を目的として設立発起人会が発足した。
しかし路線の調整に手間どり、さらに免許の下りた5日後には、関東大震災に見舞われるという不運も重なった。
経済環境は悪化し、会社設立さえ危ぶまれる状態になった。

それを救ったのが、京浜電気鉄道の大株主でもあった安田保善社で、湘南電気鉄道の発起人に加わるに当たり、その経営についてはすでに実績のある京浜電気鉄道に指導を受けるよう進言したのである。

京浜電気鉄道からは役員5人が湘南電気鉄道の経営陣に加わり、1925年(大正14年)12月、会社を設立した。
1930年(昭和5年)4月1日に、黄金町~浦賀間、金沢八景~湘南逗子間が開通。
その後、両社とも路線を延長して、翌年12月には、日ノ出町で接続を果たし、横浜~浦賀間の直通運転を開始した。

湘南電気鉄道の計画路線図

湘南電気鉄道の計画路線図

開業当時の湘南逗子駅

開業当時の湘南逗子駅

横浜〜黄金町間連絡線完成のパンフレット

横浜〜黄金町間連絡線完成のパンフレット

京浜電気鉄道と湘南電気鉄道は、鉄路による接続を果たしたが、それによって戸部〜日ノ出町間の切割区間も生じた。

京浜電気鉄道と湘南電気鉄道は、鉄路による接続を果たしたが、それによって戸部〜日ノ出町間の切割区間も生じた。

積極的な沿線旅客誘致

京浜・湘南両電鉄の直通運転に伴い便利になった三浦半島は、ハイキング普及宣伝の対象となった。
両社とも積極的な旅客誘致をはかり、新鮮さを魅力とする湘南アルプスや鷹取山などのハイキングコース、また金沢八景、馬堀海岸などの海水浴場が広く知られるようになり、東京湾汽船との連絡による伊豆大島をも対象とした。

昭和29年 ハイキング特急、6両編成の運転開始

昭和29年 ハイキング特急、6両編成の運転開始

昭和10年 女子の案内掛を乗せ、品川〜浦賀間を走った急行「大島」号

昭和10年 女子の案内掛を乗せ、品川〜浦賀間を走った急行「大島」号

自動車事業スタート

鉄道事業と並行しながら、乗合自動車事業に本格的に参入し始めたのもこの頃である。
最初に認可が下りたのは、川崎運河の開削によってできた川崎住宅地(現川崎区京町付近)と八丁畷停留所とを結ぶ路線で、6人乗り箱型の自動車が、1927年(昭和2年)8月27日から運行を開始した。

以降、めざましい発達をした各地の乗合自動車事業は、一時期鉄道の乗客を奪うほどであった。
しかし、地方では乱立によって経営不振に陥る会社もあった。

そこで、京浜・湘南両電鉄は、沿線のバス会社を系列化し、自らも積極的に路線を開業していった。

八丁畷〜川崎住宅行きの乗合バス

八丁畷〜川崎住宅行きの乗合バス

大正4年頃、高輪ビル前の京浜国道を走る乗合バス

大正4年頃、高輪ビル前の京浜国道を走る乗合バス

1926年(大正15年)

12.- 六郷橋~京浜川崎間の新設複線専用軌道開通

1927年(昭和2年)

8.27 八丁畷~川崎住宅地内(循環)の乗合自動車運輸開始(初のバス事業)
11.- 客車に暖房設備(電熱)設置

1928年(昭和3年)

6.- 電車2両連結(総括制御)の運転開始
12.28 六郷橋~川崎大師間の新設複線専用軌道開通

1929年(昭和4年)

6.22 神奈川~横浜(仮)駅(月見橋)間が開通(横浜駅で省線と連絡)

1930年(昭和5年)

2.5 横浜(仮)駅~横浜(新)駅間が開通
4.1 湘南電気鉄道(株)の黄金町~浦賀間、金沢八景(六浦荘)~湘南逗子間開通
4.- 電車回数乗車券を販売開始
6.24 生野団六が取締役社長に就任
7.6 湘南電気鉄道(株)が馬堀海岸海水浴場開設
7.13 湘南電気鉄道(株)が富岡駅を開業、富岡海水浴場を開設

1931年(昭和6年)

1.1 急行の運転開始(高輪~蒲田間)
1.15 臨海自動車(株)がグループ会社となる
4.1 湘南電気鉄道(株)湘南逗子駅葉山口乗降場の営業開始により、逗子線延長
12.26 黄金町~横浜間の開通により、湘南電気鉄道(株)と連絡線完成。横浜~浦賀間の直通運転開始(バス連絡廃止)

1932年(昭和7年)

4.12 品川駅前~六郷橋詰間を生麦ガード下まで路線を延長し、運行開始
10.1 横浜市との契約により、生麦~横浜駅前間を延長し、品川~横浜運行開始
11.29 本社を川崎市京町1丁目2番地1に新築し、移転

1933年(昭和8年)

1.15 蒲田乗合自動車(株)がグループ会社となる
4.1 省線品川駅へ乗り入れ開始
品川~浦賀間の直通運転開始
品川~横浜間の軌間再変更工事竣工(1,372mmを1,435mmに)

1935年(昭和10年)

2.14 望月軍四郎が湘南電気鉄道(株)取締役会長(代表)に就任
5.3 大型貸切自動車事業開始
6.28 本社を川崎市堀川町29番地に移転
高輪事務所を高輪南町17番地高輪ビルに開設
8.1 鎌倉乗合自動車(株)がグループ会社となる
9.1 梅森自動車(株)がグループ会社となる

1936年(昭和11年)

2.1 湘南電気鉄道(株)が湘南乗合自動車(株)を合併
6.- 半島自動車(株)設立
12.25 品川~上大岡間の急行運転開始

1937年(昭和12年)

8.8 湘南電気鉄道(株)が浦賀~竹岡間の汽船営業開始、湘南丸就航

1938年(昭和13年)

1.1 半島自動車(株)、臨海自動車(株)、鎌倉乗合自動車(株)の3社が合併し、湘南半島自動車(株)を設立
6.- 電車42両のトロリーポールをパンタグラフに改造(通称、改パン)
7.1 日本自動車道(株)を買収

1939年(昭和14年)

4.21 脇道譽が湘南電気鉄道(株)取締役会長(代表)に就任
9.23 電車3両の連結運転が許可
11.10 京浜タクシー(株)設立
11.11 湘南電気鉄道(株)が浦賀~竹岡間の汽船営業を廃止

1940年(昭和15年)

3.29 京浜興業(株)設立
12.19 京浜運輸(株)設立

1941年(昭和16年)

5.1 湘南半島自動車(株)が日本自動車道(株)を合併
11.1 京浜電気鉄道(株)、湘南電気鉄道(株)、湘南半島自動車(株)3社合併、社名を京浜電気鉄道(株)とする
11.25 五島慶太が取締役社長に就任

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