京急グループは、日本の産業の中心である京浜工業地帯を中心に事業を展開しているほか、沿線に日本の玄関口であり、発着枠の拡大等によりますます発展が見込まれる羽田空港を擁しているため、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催までは順調に成長を遂げていけると想定しています。
また、一般的に景気の減速が懸念される東京オリンピック・パラリンピック開催後も、品川駅周辺の開発を推進することなどにより、成長の速度を低下させることなく、企業価値の最大化を目指します。
一方、羽田空港アクセスへの他社の参入などによる競争激化や、品川駅周辺の開発における既存施設の再編による一時的な経営への影響も想定されます。
このような事業環境のなか、今後の日本の成長を支える品川、羽田空港という非常に重要なエリアを事業拠点としているという恵まれた条件を最大限に活かし、成長を続け、企業価値の最大化を図ってまいります。
鉄道輸送人員の推移(1998年を100とした指数)
当社の鉄道は、1998年に羽田空港へ直接乗り入れを果たして以来、ダイヤ改正や新駅の設置、高架化などに取り組み、利便性の向上を図ってまいりました。
羽田空港の発着枠の拡大効果や品川地区の発展もあり、鉄道の年間輸送人員は堅調に増加しています。
2014年3月の羽田空港国際線発着枠拡大やダイヤ改正による羽田空港へのアクセス向上により、2014年度駅別一日平均乗降客数では、国内線ターミナル駅が81,016人(前期比3.6%増)、国際線ターミナル駅が18,504人(前期比29.6%増)を記録し、国内・国際線ターミナル駅の合計では99,520人(前期比7.6%増)を記録しました。今後も、ますます需要が高まる羽田空港の輸送力の確保および様々なサービスの向上に努め、「羽田空港といえば京急」といわれるよう、積極的な事業展開を推進していきます。
訪日旅客への「おもてなし」を強化するため、常時4か国語(日・英・中・韓)で乗車券の発売や観光案内を行っています。2012年10月には、日本政府観光局(JNTO)による外国人観光案内所認定制度において、最高ランク「カテゴリー3」の認定を受けました。ご案内とともに、無料Wi-Fiサービスの提供やセブン銀行とのタイアップ、また様々なキャンペーンも実施しています。2014年3月の羽田空港国際線発着枠拡大もあり、2014年度の外国人利用者数は約19万6千人と、前期比で47.4%増加しました。
訪日旅客が多いアジア圏へのセールスを強化しています。台湾や韓国の旅行代理店で当社の乗車券を販売しているほか、台湾の「台湾鉄路管理局」と友好鉄道協定を締結しており、共同キャンペーンなどを通して日台間の交流人口の増加を目指します。また、海外における京急グループの認知度を高めるため、4か国語対応のWEB更新やSNSのコンテンツを充実させるほか、海外の国際旅行博覧会へも積極的に出展しており、お台場のホテル グランパシフィック LE DAIBAでは、2015年度第1四半期の宿泊客に占める外国人割合が全体の40%を超えました。
すでに免税対応が始まっているセブン‐イレブン京急ST
京急グループは、羽田空港の本格的な国際化および京急線羽田空港国際線ターミナル駅開業5周年となる2015年10月21日に、羽田空港国際線ターミナル駅の3階駅ナカに、訪日旅客に向けた「免税ショッピングゾーン」を新設します。同駅3階は羽田空港国際線ターミナル出発ロビーと直結していることから、出国直前のショッピングスポットとしての利便性を急増する訪日旅客に向けてPRしていきます。
品川駅は、羽田空港と当社線で11分で結ばれ、当社とJRをあわせて1日約100万人の乗降客数を誇る、交通の要衝です。羽田空港の本格的な国際化や2015年3月の上野東京ライン開通、2027年に開業が予定されているリニア中央新幹線などの整備進展により、首都圏と世界、国内の各都市をつなぐ広域交通結節点としての役割が強まっています。
「品川駅・田町駅周辺まちづくりガイドライン2014」から当社作成
赤字が当社グループの取り組み
京急グループは、品川を最重要戦略拠点と位置づけており、これまでも積極的に事業を展開してまいりました。現在、品川駅前を囲む土地を確保しているほか、品川地区に約6万m2の敷地を保有し、好立地を活かした賃貸オフィス、複合施設、ショッピングセンター等を運営しています。
品川駅周辺の開発については、東京都が2014年9月に品川駅・田町駅周辺の将来像を示す「まちづくりガイドライン2014」を発表しました。
このガイドラインのなかで、当社の品川駅がある駅街区地区と、当社が多くの資産を保有する西口地区を含む4地区が、優先整備地区に位置づけられました。
駅街区地区における取り組み
西口地区における取り組み
踏切解消への取り組み